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3人重傷事故の被告に無罪、睡眠時無呼吸症候群で

 和歌山県古座町の国道42号で2002年8月、中央線を越えて対向車と正面衝突し、3人に重傷を負わせたとして、業務上過失傷害罪に問われた大阪市淀川区の会社員男性(59)の判決が9日、大阪地裁であった。
 杉田宗久裁判長は「男性は睡眠時無呼吸症候群(SAS)の影響で、予兆無く急激な睡眠に襲われた可能性があり、前方注意義務を果たせなかった疑いが残る」として、無罪(求刑・禁固2年)を言い渡した。
 杉田裁判長は、専門家による鑑定結果から、男性が「中等症から重症のSAS」と認定し、「居眠り運転を避けることはできず、当時はSASの危険性も社会的に認知されていなかった」などと述べた。
 SASを巡っては、JR山陽新幹線で2003年2月、JR西日本の運転士が約9分間、約31キロを居眠りしたまま運転。後にSASと診断され、岡山地検が運転士を起訴猶予処分にした例などがある
 判決によると、男性は2002年8月10日午後5時ごろ、片側1車線の国道を乗用車で走行中、対向の軽乗用車に衝突。軽乗用車の男女らに重傷を負わせるなどした。

(2005年2月9日付 読売新聞)
「ひかり居眠り運転」の原因 【睡眠時無呼吸症候群】

 JR山陽新幹線で1998年2月に起きた居眠り運転のトラブルは記憶に新しい。運転士は、数年前から熟睡できず、昼間激しい眠気に襲われるという自覚症状があったという。典型的な「睡眠時無呼吸症候群」の患者だった。新幹線は運転士が「不在」のまま、最高時速約270キロで8分間、約26キロにわたって走り続けた。33歳の運転士は体重が100キロを超え、高血圧気味。前夜に飲酒していた。そのほか国内では重症のSAS患者だった私鉄の運転士が、停止すべき駅を通過するミスを二度繰り返し、社内処分を受けた。トラック運転手が月に5回も居眠り事故を起こして解雇されたケースもあった。

 1995年にアラスカ沖で起きた米客船「スター・プリンセス号」の座礁は、SAS患者の航海士の判断ミスが原因だった。1986年の米スペースシャトル「チャレンジャー」爆発事故では、不眠不休の仕事で、職員が注意力散漫となって、整備不良を発見できなかったとされる。
 米国では約10年前、睡眠障害による経済損失が年間70兆円とはじき出されたことをきっかけに、SASなどの睡眠障害による人身事故や医療ミスを減らすための具体的な取り組みが、国を挙げて始まった。各地域に啓もう、診断・治療にあたる専門の睡眠センターが設けられ、今では約4000の専門機関が整備されるまでになっている。
(2003年3月5日付 読売新聞「スキャナーSCANNER」)



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